
1993年・第46回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされたトラン・アン・ユン監督の長編デビュー作。パリ郊外のセットに再現されたサイゴンの一軒家を舞台に、1人の少女の成長を瑞々しい映像で叙情豊かに描き出す。成長したムイを演じるのは、後にトラン・アン・ユン監督の公私に渡るパートナーとなるトラン・ヌー・イェン・ケー。 1951年、ベトナム。10歳の少女ムイが、サイゴンで暮らす一家のもとへ奉公にやって来る。その家には、琵琶ばかり弾いて何もしない父と、布地屋を営む働き者の母、社会人の長男と2人の弟、そして祖母が暮らしていた。一家にはかつて幼い娘がいたが、父が家出している間に病に侵され、そのまま死んでしまった。ムイは先輩の奉公人から仕事を教わり、朝から晩まで懸命に家事をこなしていく。そんなムイに、一家の母は亡き娘の姿を重ね合わせるのだった。ある晩、長男の友人クェンが一家を訪れ、ムイは彼に密かな憧れを抱く。

